2016年
1月
05日
火
お正月は、新しい一年に福をもたらす神さま(年神さま)を各家にお迎えする行事である。一年の始まりという大切な節目にあたって、年神さまを歓迎し御接待するためのお供え物のことを「御節供(おせちく)」、略して「おせち」といい、このお下がりを家族や親族と分け合って頂戴するのが《おせち料理》の本来のあり方のようである。おせち料理には、普段の食卓には上ることが稀な、お正月ならではの特別な品々がある。また、たとえ日常的な食材であっても、わざわざ縁起を担いだ特別な呼び方をしたりする。これらの由来や意味については諸説あるようだが、どの品にも、新しい一年が安泰であるように…という願いが込められている。
2013年
12月
31日
火
十二月に入ると、スーパーなどの店頭にお正月飾りが並びはじめる。近頃は、隣に陳列されているクリスマス飾りと張り合っているかのように、オシャレなものや可愛らしいものも増えていると思う。
2013年
10月
02日
水
秋の空が青く高く澄みわたっている。あの暑さからようやく解放されて、心地よい時節になってきた。
さて漢字の成り立ちの話だが、“心”という部首に“秋”を組み合わせると「愁」という字になる。辞書の説明によると、秋という文字には“ちぢむ”という意味があるので、「愁」とは心が小さく縮むこと、つまり「うれえる、かなしむ」となるのだそうだ。とはいえ、ひと口に“秋”といっても、まだまだ夏の暑さが残る初秋、名月を愛でる仲秋、野山や田畑に自然の恵みがあふれる実りの秋、黄や紅に色づいた木の葉がやがて枯れ落ちて寒い冬に向っていく晩秋まで、色々な秋がある。「愁」の場合はたぶん晩秋の風情に由来するのだろう、と私は勝手に納得している。
2013年
9月
01日
日
きびしい暑さも盛りを過ぎて、少しずつ秋の気配が感じられるようになってきた。
大雨が各地に甚大な被害をもたらしている。また、台風が日本列島を窺っていて、天気予報などで連日のように注意を促している。
9月のカレンダーには「二百十日」という注記がある。
「二百十日(にひゃくとおか)」とは、立春から数えて210日目、9月1日頃をいう。ちょうど稲が開花するこの時季は、台風が襲来する時期にもあたることから、米作りをする農家では厄日として警戒する。台風の激しい雨・風によって、ようやく実りはじめた稲穂が痛めつけられると、ここまでの丹精が台無しになってしまう。稲作農家としては、まさに祈るような気持ちでこの時期を過ごしていたのであろう。
2012年
10月
26日
金
お寺の裏山にある栗の木が、今年もたくさんの“いが”をつけた。
この季節になると、バケツ片手に栗拾いをすることが、住職の毎朝の日課となる。収穫の秋だ。山にも、田畑にも、さまざまな作物が実る、心躍る季節である。
2012年
9月
22日
土
原発警戒区域内の一時帰宅で、住民の方々が持ち帰ってきたさまざまな物品の中に、その人の思い出が詰まった「日記や写真」、故人や先祖とつながる「位牌」などがあったそうだ。このような自分の過去に関わるものが、明日への一歩を踏み出す時に大きな力となる、という。
2012年
8月
24日
金
女子サッカー・なでしこジャパンがオリンピックの舞台でも活躍した。体格差のある相手チームに対して、決して諦めない気持ちと固いチームワークで勝利を手に入れた。スポーツに限らず、チームワークは大切なことである。個々の力が結束すると、より大きな力を発揮して、ときには手ごわい相手にも打ち克つことができる。
コラム著者紹介
◎大聖院 住職
多田 孝文
(ただ・こうぶん)
昭和17年生まれ
平成22年より大正大学学長に就任
◎同 副住職
多田 孝善
(ただ・こうぜん)
昭和50年生まれ